要 旨
我々は新規技術による二酸化チタン(TiO2)不織布を用い,この光触媒効果によるネコカリシウイルス F9
株(FCV-F9 株),ヒトアデノウイルス GB 株(HAdv3-GB 株),インフルエンザ(Influenza A 及び B,以
下 Inf-A 及び Inf-B)ウイルスの不活性化効果および吸着効果を検討した.
各ウイルス液 10μL を 1cm2
の TiO2不織布に滴下・乾燥後に最大波長 356nm の紫外線を照射したところ,
FCV-F9 株及び HAdv3-GB 株は 30 分間で 3.5 log10TCID50以上の感染価減少が認められた.Inf-A ウイルス及
び Inf-B ウイルスでは紫外線照射以前より感染価が著しく減少し,TiO2不織布へ直接吸着することが示唆さ
れた.そこで TiO2不織布への各ウイルスの吸着効果を各ウイルス液の滴下のみで検討した.FCV-F9 株及び
HAdv3-GB 株では吸着性は認められなかったが,Inf-A 及び Inf-B ウイルスではコントロールと比較して,5
分後に 2 log10TCID50,30 分後で 3 log10TCID50の感染価減少が認められ,その吸着性が示唆された.Inf A 及
び B ウイルス数株による TiO2不織布への経時的吸着効果は,早いもので 5 分,概ね 30 分で 3 log10から 4 logTCID50以上の吸着性が示唆された.新技術により TiO2を高密度・平滑,安定な状態で不織布にコーティングした.これにより 3 種のウイルスに対する不活性化効果とインフルエンザウイルスに対する強力な吸着効果が示唆され,今後この素材によるウイルス感染制御の可能性が期待される.
0 件のコメント:
コメントを投稿