2020年4月29日水曜日

食 品 の 感 染 防 御 作 用

保 井 久 子*(ヤ クル ト本社 中央研究所)

は じ め に

食品 には,生 体構成物質や ェネルギーの供給 を行 うた
めの栄養素 と しての機能お よび味覚,嗅 覚,視 覚 などの
感覚 を誘起す るため の嗜好品 と しての機能 の外 に,免 疫
系,内 分泌系,神 経系お よび循環器系などの調節 に関与
す る生体調節機能が存在す ることが判 明 して以来,こ の
新 しい食 品機能 の解析 が急速 に進 め られ てきた.そ し
て,次 世代の新 しい食品を科学す る"機 能性食品"の 研
究をふ まえて,平 成5年6月1日 付 で厚生省か ら表示を
許可 され た特定保健用食品の登場 を見るに至 り,昔 か ら
言い伝え られて きた種々の食品の効能 は,多 くの研究者
によ り科学的 に研究 され立 証されつつある.
人間の健康 は生体調節系が正常 な範囲 で作動す ること
で維持 され,こ の ホメオ スタシスに限度 を越えた乱れが
生 じて くると発症に いた る.感 染症 は主 に細菌および ウ
イルスが,外 界か ら生体に侵 入 し,増 殖す ることによ り
成立す る.こ のよ うな状態 が生 じると,ホ メオスタシス
に乱れが生 じて健康 が維持 で きな くな り病気にな る.西
洋医学の病気の治療 法は薬 に依存 しているため薬害,副
作用が常 に問題 にな っている.こ のような背景か ら,最
近食品の もつ効能効果 が注 目され ホメオスタシスの乱 れ
を食品によ り正常化 するという思想が生 じて きた.本 稿
では,特 に腸管感染症 の予防 ・治療 に効果が認 め られる
食品および効果 が期待 できる食品 につ いて作用機序 の面
か ら分類 し概説 する.

---省略---
した27)以 上の ように,こ の ビフィズス
菌(B. breve YIT 4064)に は粘膜免疫 を賦活化 し,特 に
IgA抗 体産生 を増 強 して,病 原微生物感染を阻止 する作
用があ ることが明 らかにな った.
ラッ トに クロレラを経 口投与す ると,多 形核白血球 が
活性化 され大腸菌 の排除 が亢進す ることも報告 されてい
る28).また,ビ タ ミンAの 免疫活性化作用 も報告 されて
おり,ラ ッ トに経 口投与 するとマクロフ ァー ジの貪食能
が亢進 し,サ ルモネ ラ菌 の排除が促進す ることが明 らか
にされてい る29). In uitroの 実験 では,蜜 蜂が作 る密鑞 と
いわれ て い る プ ロポ リスが マ クロ フ ァー ジを活性 化
し30),ま たチ ョウセ ンニ ンジ ンがT細 胞 の増殖 を促進
し,大 腸菌を不活化 する こと31)が示されている.熱 帯 お
よび亜熱帯地方 を原産地 とす るユ リ科の植物であるア ロ
エは細胞傷害活性 を亢進 し,病 原細菌を排除す ること も
報告 されてい る32).こ の ように免疫 系を活性化 し,液 性
---省略---

論文はここ


0 件のコメント:

コメントを投稿